小学校5年生の理科では こんな学習をします。

 学習の目標
1 物の溶け方、振り子の運動、電磁石の変化や働きをそれにかかわる条件に目を向けながら調べ、見いだした問題を計画的に追究したりものづくりをしたりする活動を通して、ものの変化の規則性についての見方や考え方を養います。
2 植物の発芽から結実までの過程、動物の発生や成長、流水の様子、天気の変化を条件、時間、水量、自然災害などに目を向けながら調べ、見いだした問題を計画的に追究する活動を通して、生命を尊重する態度を育てるとともに、生命の連続性、流水の働き、気象現象の規則性についての見方や考え方を養います。
 学習の工夫
(1)身近な自然を対象として、自らの感覚を働かせ体験を通した自然とのかかわりの中で、自然に接する関心や意欲を高め、そこから主体的に問題を見いだす学習を重視します。
(2)見通しをもって観察、実験などを行い、自然の事物・現象と科学的にかかわる中で、問題解決の能力や態度を育成する学習を重視します。
(3)観察、実験などの結果を整理し、考察、表現する活動を行い、学んだことを生活とのかかわりの中で見直し、自然の事物・現象についての実感を伴った理解を図る学習活動を重視します。
 評価について
理科では,次の4つの観点で評価します。
@自然現象を興味・関心をもって追求し,生物を愛護するとともに,見いだした特性を生活に生かそうとすることができる。
A自然現象を比較しながら問題を見いだし,差異点や共通点をとらえ,問題を解決することができる。
B簡単な器具や材料を見付けたり,使ったり,作ったりして観察,実験やものづくりを行い,その過程や結果を分かりやすく表現することができる。
C生物の成長の様子や体のつくりにはきまりがあることや,光,電気及び磁石にはきまった性質があること,太陽と地面の様子には関係があることなどを理解することができる。
 
単元・題材 学習すること
前 
○ 春が来て
1 発芽と成長
・アブラナを観察し、花のつくりをとらえるとともに、花ができたあとに実ができていることを見取ります
・これまでに育てたことのある植物が発芽する様子やインゲンマメが発芽する様子などから、植物が発芽するために必要な条件について話し合います。
・発芽に必要な条件を調べる実験を行って、発芽には水と適当な温度と空気が必要なことをとらえます。
・肥料を与えなくても発芽することや、成長すると子葉がしぼむことから、種子の中に養分があるのではないかと考え、発芽する前の種子の中にでんぷんがあることをヨウ素液を使って確かめます。一方、発芽してしぼんだ子葉の中にはでんぷんがないことを同様の方法で調べ、種子の中には養分があり、その養分は発芽や成長に使われるということをとらえます。
・インゲンマメの成長する様子を観察したり、これまでに植物を育ててきた経験を思い出したりして、植物がよく成長するために必要な条件を話し合います。
・インゲンマメの成長に必要な条件を調べる実験を行って、植物がよく成長するためには水のほかに肥料と日光が必要なことをとらえます。
2 メダカの誕生  ・メダカの卵の成長について、メダカを飼育して観察することにより、メダカには雌雄があり、受精後の卵は卵内の養分を使って成長し、しだいに魚らしい姿になってかえることをとらえます。これらの活動を通して、生命が連続しているという見方や考え方をもち、生命を尊重する態度が育つようにします。
・池や小川の魚の食べ物について話し合い、池や小川の水にすむ小さな生き物をメダカに与えて様子観察し、メダカは池や小川にすむ小さな生き物を食べていることを調べます。
・池や川の水の中にいる小さな生き物を顕微鏡などを使って観察することにより、魚は水中にいる小さな生物を食べて生きていることをとらえます。
3 ふりこ  ・おもりが1往復する時間の規則性に関心を持ち、振り子実験装置を作ります。振り子が1往復する時間に関係する要因を考え、実験を計画して実験装置を工夫し、条件を制御しながら実験を行って、振り子の規則性を見つけます。
○ 台風接近  ・台風について知るために適切な気象情報や災害の情報を集めます。集めた情報から、台風の進路や、台風が近づくと、強い風が吹いたり、短時間に多量の雨が降ったりして、災害が起こることなどをとらえます。
4 花から実へ ・ヘチマの葉や実を観察し、雌花にはめしべが、雄花にはおしべが見られるという花のつくりの特徴に気づくとともに、花粉のプレパラートを作り、顕微鏡で観察できるようにします。
・ヘチマの雄花も結実に関係しているのではないかと考え、花粉をつけた雌花とつけない雌花で、めしべのもとの成長の違いを調べて、結実には受粉が必要であることをとらえます。
5 天気の変化 ・身近な気象現象である雲の量や動きに興味を持ち、実際の観測を通して、天気の変化が雲の量や動きと関係していることをとらえます。また、雲の形や量、動きの多様さから雲には様々なものがあることをとらえます。
・天気の変化に興味を持ち、天気の変化を予想するために必要な気象情報を集めます。数日間続けて、気象情報を集める活動を通して、日本付近では天気はおおよそ西から東に変わっていくという天気の変化の規則性を見つけ、実際にその規則性を用いて天気を予想します。


6 流れる水のはたらき ・増水した川の様子や洪水による被害を知り、雨の日の校庭や公園で流れる水や地面の様子と比較するなどして、流れる水のはたらきに興味・関心をもち、土山などに水を流すモデル実験を計画し行い、流れる水のはたらきをとらえます。
・実際の川の様子と関係づけて、流れる水のはたらきをとらえます。
・川の上流と下流の違いに気づき、資料を活用するなどして、全体の様子や川原の石の大きさや形の違いをとらえます。
・川の水量がどのようなときに増えるのかを考え、新聞やインターネットなどの資料を活用しながら調べるとともに、水量が増えたときの土地の変化の様子について資料を活用しながら動揺に調べて、川の水量が増えると土地が削ったり、削った土を運ぶ力が大きくなり、がけ崩れや洪水などの災害を起こすことがあることをとらえます。
7 電流が生み出す力 ・電磁石に興味をもち、自分の電磁石を作って、電流を流して調べることから、電磁石の性質についてとらえます。
・電磁石の力を強くする方法について話し合い、自分の予想をもとに計画を立てて調べることから、電磁石は電流を強くしたりコイルの巻き数を多くしたりすると鉄を引きつける力が大きくなることをとらえます。
・これまでの学習をもとに、電磁石の性質を利用したものについて話し合い、道具を1つ選んで工夫しながら作ります。
8 人の誕生 ・母体内での胎児の成長について、自分なりの予想を立ててどのような方法で調べるかを計画し、図書資料や映像資料などを活用したり専門家から情報を収集したりすることで、受精後の卵は、母体内で母親から養分をもらって成長し、しだいに人らしい姿になって生まれることをとらえます。
・これらの活動を通して、生命が連続しているという見方や考え方をもち生命を尊重する態度が育つようにします。
○ 受けつがれる生命 ・これまでの学習をふり返り、生命の連続性をとらえます。
9 ものの溶け方 ・食塩やミョウバンが実際に水に溶けていく様子を観察し、物の溶け方についての疑問や調べてみたいことを話し合い、そこから出てきた問題について、計画を立てて調べることによって、食塩もミョウバンも水に溶ける量には限度があることや、物が水に溶ける量は水の温度や量、溶かすものによって違うことをとらえます。
・実験を通して、メスシリンダーや加熱器具などの正しい操作や安全な扱い方を習得します。
・実験で放置しておいたミョウバンの水溶液からミョウバンが析出していることに気づき、水溶液に溶かしたものを取り出す方法について考え、計画を立てて調べることにより、水溶液を冷やしたり、水溶液から水を蒸発させたりして、溶かしたものを取り出せることをとらえます。
・物を水に溶かす前後での重さについて、これまでの学習経験などをもとに自分なりの予想を立て、計画的に実験活動を行うことによって、物を水に溶かす前後で全体の重さは変化しないことをとらえます。
・溶かしたものは水溶液の中に全部あるという考えを持つとともに、実験器具の正しい操作を習得します。

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