小学校六年生の理科では こんな学習をします。

 学習の目標
1 燃焼、水溶液、てこ及び電気による減少についての要因や規則性を推論しながら調べ、見いだした問題を計画的に追究したりものづくりをしたりする活動を通して、ものの性質や規則性についての見方や考え方を養います。
2 生物の体のつくりと働き、生物と環境、土地のつくりと変化の様子、月と太陽の関係を推論しながら調べ、見いだした問題を計画的に追究する活動を通して、生命を尊重する態度を育てるとともに、生物の体の働き、生物と環境とのかかわり、土地のつくりと変化のきまり、月の位置や特徴についての見方や考え方を養います。
 学習の工夫
(1)身近な自然を対象として、自らの感覚を働かせ体験を通した自然とのかかわりの中で、自然に接する関心や意欲を高め、そこから主体的に問題を見いだす学習を重視します。
(2)見通しをもって観察、実験などを行い、自然の事物・現象と科学的にかかわる中で、問題解決の能力や態度を育成する学習を重視します。
(3)観察、実験などの結果を整理し、考察、表現する活動を行い、学んだことを生活とのかかわりの中で見直し、自然の事物・現象についての実感を伴った理解を図る学習活動を重視します。
 評価について
理科では,次の4つの観点で評価します。
@自然現象を興味・関心をもって追求し,生物を愛護するとともに,見いだした特性を生活に生かそうとすることができる。
A自然現象を比較しながら問題を見いだし,差異点や共通点をとらえ,問題を解決することができる。
B簡単な器具や材料を見付けたり,使ったり,作ったりして観察,実験やものづくりを行い,その過程や結果を分かりやすく表現することができる。
C生物の成長の様子や体のつくりにはきまりがあることや,光,電気及び磁石にはきまった性質があること,太陽と地面の様子には関係があることなどを理解することができる。
 
単元・題材 学習すること


○ 空気と水と緑の地球 ・地球上で人間を含めた生き物がどのような生活をしているかを話し合い、これからの学習を見通しを持って進められるようにするとともに、地球上で生きていくために必要なものを考えて次の人体の学習につなげます。
 ものの燃え方と空気 ・空き缶の中で木片をよく燃やす方法を調べることから、木が燃えるためには新しい空気が必要であることをとらえるとともに、空気を構成する窒素、酸素、二酸化炭素の性質を調べ、酸素に物を燃やすはたらきがあることを理解します。
・物が燃えたあとの空気ともとの空気との質的な違いについて推論し、木片を燃やす前後の空気の違いを調べることから、木が燃えると空気中の酸素の一部が減って二酸化炭素ができることを理解します。
・これまで木片を使って調べてきた内容について、布や紙なども含めて総合的に調べ、物を燃やしたときの変化をまとめます。
2 人の体のつくりとはたらき ・人や他の動物が生きていくために必要なものを食べ物の視点で考え、朽ちの中での食べ物の変化を調べたり、図鑑やビデオなどの資料を活用したりすることから、人や他の動物は食べ物を消化してできた養分を取り入れて不要なものを排出していることをとらえます。
・人や他の動物が生きていくために必要なものを空気の視点で考え、人の吸気と呼気の成分を調べたり、図鑑やビデオなどの資料を活用したりすることから、人や他の動物は呼吸によって空気中の酸素を取り入れて二酸化炭素を出していることをとらえます。
・酸素や養分を体じゅうに行きわたらせる仕組みについて、資料を活用して調べたり、実際の体で心臓の拍動と脈拍との関係を確かめたりすることから、心臓や血液のはたらきをとらえます。
・人や他の動物の体内には様々な臓器が存在し、それらの臓器の名称と体内における位置をとらえます。
・これまで人を中心に調べてきた内容について、他の動物も含めて総合的に調べ、動物の体のつくりとはたらきをまとめます。
3 植物の体のつくりとはたらき ・植物を観察し、植物の根、茎、葉には水の通り道があり、根からの吸い上げられた水は主に葉から蒸散していることをとらえます。
・日なたと日かげの植物の観察から日光と植物に必要な養分との関係に気づき、日光を当てた葉と当てない葉ででんぷんのでき方を調べることにより、植物は日光が当たった葉で自ら養分を作り出すことをとらえます。
4 つりあいとてこ ・左右に物をつり下げたときの棒のつりあいに興味をもち、棒が水平についあうときに左右のつり下げたおもりの重さや位置にはどのようなきまりがあるかを調べ、つりあいの規則性について理解します。
・てこを使って重いものを持ち上げるときに力点や作用点の位置を変えて調べ、つりあいの規則性を利用すると重いものを小さい力で持ち上げられることを理解します。
・身の回りにあるてこを探し、生活で使われている様々な道具がてこのはたらきをどのように利用しているかをとらえます。
5 土地のつくりと変化 ・地層がしま模様に見えることに興味を持ち、実際に観察したり写真試料を活用したりボーリング試料を使ったりして調べることから、地層は異なった構成物が層状に積み重なってできていることをとらえます。
・地層の成因について、これまでの学習などと関係付けて推論し、計画的に調べることから、地層は流水のはたらきで長い時間をかけてできることをとらえます。また、地層は火山の噴火でできることがあることもとらえます。
・火山活動や地震について、さまざまな情報を活用して調べることから、火山活動や地震によって土地は大きく変化することがあることをとらえるとともに、自然の力の大きさを実感します。


6 水溶液 ・5種類の水溶液の見た様子やにおい、水を蒸発させたときの様子などを調べ、水溶液には性質の違いがあることをとらえるとともに、水を蒸発させて何も残らなかった水溶液について問題を見いだし、炭酸水から出ている泡が何かを調べることから、水溶液には気体が溶けているものがあることを理解します。
・5種類の水溶液をリトマス紙につけて色の変化を調べ、水溶液はリトマス紙の色の変化で酸性、アルカリ性、中世の3つに仲間分けできることを理解します。
・塩酸をアルミニウムに注ぐ活動から問題を見いだし、塩酸に溶けたアルミニウムがどうなったのかを追究することにより、水溶液には金属を質的に変化させるものがあることを理解します。
7 月と太陽 ・月と太陽を観察し、月の輝いている側に太陽があることをとらえるとともに、月の見える形について考えるためのモデル実験を行い、推論しながら月と太陽の位置関係によって月の形の見え方が変わることを理解します。
・月と太陽の表面について、資料を活用したり実際に月を観察したりして調べることにより、月の表面は太陽の表面と違いがあることをとらえます。
○ 電流による発熱 ・長さが同じで太さの違う電熱線に電流を流して発熱の程度を調べ、電熱線は太さによって発熱する程度が変わることを理解します。
8 電気の利用 ・手回し発電機、コンデンサー、発光ダイオードを知り、それらの器具を使って調べることにより、電気は発電機などでつくったりコンデンサーなどに蓄えたりできることをとらえます。
・電気を蓄えたコンデンサーを様々な器具につないで調べ、電気は光、音、回転する動き、熱などに変換できることをとらえるとともに、豆電球と発光ダイオードの点灯時間の違いに問題を見いだし、電気を蓄えたコンデンサーにつなぐ器具によって回路に流れる電流の強さが変わることを理解します。
・日常生活をふり返るなかで、身のまわりには電気の性質やはたらきを利用した道具があることをとらえます。
9 生き物と環境 ・生き物と環境について、生き物と空気という視点で考え、酸素は、植物が作り出していることをとらえます。また、生き物と食べ物という視点で考え、動物の食べ物のもとをたどると植物に行きつくことや、食物連鎖の関係があることをとらえます。さらに、生き物と水という視点で考え、生き物にとって必要不可欠は水は、地球上をめぐっていることをとらえます。
・これまでの学習をふり返り、人と環境とのかかわりについて、空気、水、生き物という視点で考えることから、人や他の動物、植物を取り巻く自然環境を幅広い視野でとらえます。

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